どうも、お久しぶりです。
といっても、当院にこまめにいらしている方には、そんなに久しぶりではないのかもしれませんん。が・・・
ブログについては、スンマセン。本当にサボってました。
もう大晦日になってしまいました。
だって、一年があっというまに過ぎてしまうので・・・。
毎回、おんなじ話ですが
現在での私の一年間の感覚が、
子供の頃の3ヶ月くらいの速さで過ぎていくのです。マジです。怖いくらいに一週間や、1ヶ月がもの凄いスピードで過ぎてしまいます。
もう死期が近づいているのでしょうか?
と、言い訳はおいといて、
いつも、誰かしら困った子がいるのですが、いつもその子たちの事で悩んでクヨクヨしています。
本当は 自分にこの仕事は向いてないような・・・
他にも悩み抜いた子が沢山いましたが、
今年はこの子がいちばん私の心を掻きむしってくれました。
この子はkさん家のハッピーちゃん、kさんのお家に保護猫として飼われだしてまだ間もないそうですが、当院には救急で初めて来院されました。
お電話では、「お尻のあたりが急にヒドいことになっている!」とのことでしたが・・・
↓↓↓特殊効果でグロさを軽減!!笑
してるつもりなのですがキショいのが苦手な方はここまでで終了してくらはい!すんません。
そんでもって、初診の画像がコチラ・・・ (゚A゚;)ゴクリ
_| ̄|○、;'.・ グハッ!! オェェェェェェェェェェェ
ヒッ、 皮膚が腐って溶けている〜!
肛門周囲やしっぽの付け根の皮膚も溶けて、ポッカリ穴が開いてます。
そして、下腹部にもその病巣が続いております。
見た目以上に皮膚の損傷が激しく、現在の皮膚も壊死している所が広範囲にあるのが確認できました。
飼い主様いわく「気がついたら急に、こんなになっていた!」とのこと。
そして、最近まで他院で『下痢』で通院してたとのこと。
幸いなことに、ハッピーちゃんには元気も食欲もあるとのこと。
でもなんでこんなに皮膚が広範囲に壊死してるのでしょうか?
まっさきに浮かぶのが、『肛門腺炎からの皮下膿瘍』だと思うのですが、肛門より背側の尾部付け根や、下腹部まで炎症が波及するのは経験がありません。
結局、現在も原因がわからないままです・・・
思い出すのは、開業して一年目で経験した症例で、
2日で下半身のほとんどの皮膚が壊死して亡くなってしまった例がありました。その後、人間で問題となった、まさに『人食いバクテリア』のような症例・・・とてもかわいそうでした。
な、なんとかせねば!
ということで、効果のあありそうな抗生剤を投与!
そして、エリザベスカラーを装着して
また、明日来てもうらうことに・・・
しかし、
予想はしてたのですが
どんどん、皮膚が無くなっていきます。
初診の時点でもうだいぶ皮膚が死んでるのが、わかっていたのですが、
下腹部の皮膚もベロンと壊死し脱落してしまいました。
こんなヒドい状態でも
ハッピーちゃんには、バッチリ食欲があるというのが救いですが、
問題は
『無くなった皮膚は再生しない』ということです!
現在は人や動物でも再生医療が盛んですが、一般開業の獣医ではこんな広範囲の皮膚を再生させるのは無理です!
そして、広範囲の皮膚が欠損した状態では、常に皮膚からの細菌感染が起こり長くは生きれないと思います。
なので
『ない皮膚はどこかの皮膚を剥がして、くっつける!』が基本です。
そして、皮膚の再建や移植に一番重要なのは、感染の制御と血行の温存だと思うのです!
基本的に欠損した皮膚は近くの皮膚を剥がして寄せてくるが基本ですが、周りの皮膚を大きく剥がすと
そのぶん血行が悪くなり、皮膚の下の組織とくっ付かなくなります。
そして、私が外科手術で一番やりたくない部位に肛門まわりがあります。それは手術した場所にウンコという雑菌による二次感染を招きやすい場所だから・・・・
なのに、ハッピーちゃん下痢が止まりません!
うあ゙ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゙ぁあぁ゙ああぁ
しかし、
なんとかしないと、
とりあえず、抗生物質の投与!
下痢の原因とコントロール!などを第一に考え、その後、皮膚の壊死が止まれば頃合いを見て皮膚の再建を図るという計画をたてました。ここで、皮膚の感染巣の菌の同定と感受性試験を行うべきだー!のいう同業者の意見がありそうですが・・よくわかります。やっておいた方がよかったですね!わかったからもう見るな!寝ろ!
あ、
いつものことですが、
このしょーもないブログを見ている同業者の諸君!または、医療関係者の諸君!
み、
見ないでくれっ!
他にもっとよい方法があったなら、こっそりとメールで教えてくれ!おねがいだ!
ただし、超高額な治療は無理デス。
話は戻りますが、
一週間くらいして、ようやく皮膚壊死の進行が止まり、剥がれた皮膚の下に綺麗な肉芽組織が認められたので、いざ手術の用意へ!欠損した皮膚が瘢痕収縮を起こして・・・気持ち欠損面積が小さくなったような気がします。
もう、先にネタバレ?しちゃいますが合計3回の手術が必要でした。
その輝かしくない第一回目の手術前のハッピーちゃんの皮膚欠損の状態がコチラ↓
とても恥ずかしい写真なので、拡散したら訴えます!笑
とても、キショい写真だとお叱りを受けそうなので、
かわりと言ってはなんですが、
とても見苦しい写真・・・
でも、ハッピーちゃんの皮膚の状態を忠実に再現!
激ムズのポイントは肛門と外陰部の粘膜ギリギリまで皮膚が欠損してしまっていることです!!!
前からはこんな感じ・・・
下腹部の皮膚がありません!(´ฅωฅ`)オエーッ
今までずっと外傷や皮膚腫瘍で皮膚の再建?をしてきましたが、
ここまで広大な皮膚欠損は私は初めてでした。
私はどんな手術でも頭の中でイメージできない手術はしないのですが、←できない
なんか、いまいちイメージできません!
いざとなれば、皮膚を
このように飾り大根のように、切れ目を細かく入れて、伸ばす方法もあるらしいですが、私はやったことがありませんし、成功率が下がると思います。
なので、なるべく欠損部位の近くから、そして、かなり大量の皮膚を剥離し、そしてなるべく血行を温存する!をイメージして手術に臨みました。
まあ、こんな手術簡単だろ?と思う外科の得意な同業者も沢山おられると思います!
正直、
私も少しは「なんとかなるだろ!」と思っておりました。
が、
あと、数センチ皮膚が足りません!!!!
ただ、皮膚を寄せて来るだけならなんとかなりますが、後ろ足を前後に、そして完全に曲げると、どうしても肛門や外陰部のあたりにどうしても皮膚が足りません!!!!
結局、時間もかかって、やっと終えた手術の写真がこれ。↓
本来あるオッパイを剥がして、外陰部へ、後ろ足と腰の皮膚もかなり剥がして肛門付近に無理やり持ってきて縫合してます。なので肛門の位置もかなり下腹部に寄ってしましました。
そして、後ろ足を曲げるとかなり皮膚がパツパツで嫌な予感・・・・。
結局、いちばんテンションがかかる肛門や外陰部まわりが血行が悪く、そして毎日下痢にさらされていたので(下痢には色々な治療を行なっています)、何度かここから皮膚が破れてしましました〜。泣
なので、何度か再手術をさせていただくのですが、
そのつど
使える皮膚が減ってくるので、さらに皮膚が足りなくなってきます。
縫合する糸で血行が悪くなるので(普通はそんなことないですが、異常にテンションがかかっているので)、最終的によくやる方法を補助的に導入!
①引っ張って来た皮膚とその下にくっつける筋肉群を何ヶ所も縫合し、肛門周りにかかるテンションを軽減!
②瞬膜フラップ手術などでよくやる、縫合糸が皮膚の中に食い込むのを避けるために、シリコンチューブをボタンがわりにして止める方法!
そして、
③ 3回目の手術ということで、全体の皮膚が落ち着いた?(少しだけ皮膚が伸びた?)
④1ヶ月以上して、ようやく下痢が治ったこと!!!←めちゃ大事!!1
以上をもちまして、現在良好に経過しておりますー!!!!!!!!
昨日、今年の最後の診察になるので、一部だけ抜糸を行いました。
肛門の位置がズレてますが、なんとか生きていけそうです。
ここまで約2ヶ月かかっております。
実は
この2ヶ間、この子を思い出すたびにご飯が進まず、
痩せておりました。
イメージした脳内手術の回数は軽く200回は超えていると思います。
ようやく、私のストレスが減り、今リバウンドしております。
正月明けには3キロは太ることでしょう!
そして、今夜は大晦日です。
みなさん
一年間どうもありがとうございました。
どうぞ良いお年を!終
ちなみに、このヒートテックは家内のボロボロのお古です〜!笑
この後にはウニちゃんのベッドの敷物になりました〜!
