ネコにお箸(特に菜箸)・・・キケンです!

新型コロナの感染拡大が止まりません。

 

節電と言われますが、

 

当院も、特に受付のドアと窓は全開で、

各診察室は冷房を全開?そして常に強制換気!

とまあ 地球温暖化に拍車をかけるようなアタマの痛い日々が続いております。でないと ワンちゃんが当院で熱中症になってまう・・・

 

環境にも私のサイフにも大打撃な状況がいつまで続くのでしょうか?

コロナちゃん、もう変異しないで、お願い。

 

さて、今回はちょっと、ショッキングかもしれないので、

閲覧注意でお願いします。

 

今回のこまったちゃんはM本さん家のうずらちゃん♡、2歳の女の子!

 

たまたま診察が混雑している時に、

 

受付スタッフが『猫が菜箸を食べた』と予約が入りました〜「先生どうしましょう?」とのこと。

???

「おはしを食べる?どうゆうこと?」

「菜箸の先を食べたそうです!」

「じゃあ、残りの箸を全部持参して、診察に来てもらって!」

「箸の先だけなら内視鏡で摘出しなくても、便に出てくれるかなぁ・・・」

他の子の診察が立て込んでいたので、あまり深くは考えていませんでした。

そして、その子が予約していた時間に診察に来てくれました。

 

私、

「菜箸を食べてしまったって〜?。どんだけの部分を食べたのかなぁ〜?」

「かじってしまった箸と、対の箸を持ってきてくれましたか〜?」

飼い主さん、

「はい、これなんですが、こっから先がありません!」

 

「はあ、もしかして本当は食べてないんじゃないですか?」☜よくあります

 

飼い主様、

「だって、この子が慌てて走り回って、あっちこっちにが・・・」

「えっ!が出てる⁈」

 

 

 

私は自分のの気が引いていくのを感じました。

「これは、見立て違いじゃ〜、絶対あかんヤツや〜!」

 

「うずらちゃんはグッタリしてないですかー?」

 

 

「ギャーッ!瞳孔の大きさが左右で違うやんけ〜っ!」

 

「これは、脳や延髄の損傷、延髄などから出る頸部交感神経路に異常がある可能性が・・・」

 

「これは、箸の先を飲み込んだんではなくて、は、はは、はっっは?ハシが口から刺さってるぅうう〜!!!」可能性が      ヽ(;゚;Д;゚;; )ギャァァァ!!

 

 

 

うずらちゃん、本当に痛かったと思うけど、本当にガマン強い子でした。

 

私が口を無理やり開けて、口腔内を見渡すと・・・

チラリと見えました、喉に刺さって折れている箸が・・・

 

ということで、全身麻酔下で摘出を行いました。

 

念の為、レントゲンを撮ってみましたが箸は写りません。

 

で、ぶっつけ本番で麻酔下で一発勝負です!

↓(グロ・閲覧注意でお願いします)

 

 

 

(´ж`;)ゥ・・ゥップ・・・

 

「オヴェエエエエ〜」

私、こんな仕事してるけど、こんなのは苦手なんだよねぇ

ホラー映画なんかはヘッチャラですが、痛い系は苦手!

 虐待もイヤ!

もし私がスパイだったら、拷問される前に全て自白してしまいそうです。

 

うずらちゃんに戻ります。

もしかしたら、

いきなり、大出血や痙攣するかも?

もし、箸が途中でポッキリ折れて、全部摘出できなかったらどうしよう?

と内心ビビリながら、摘出しました。

 

自分なりに綺麗に摘出できました。が・・・

 

 

 

↓そして、こちらが摘出した、菜箸の先端部分。

 

 

 

完全に摘出できているか、念の為に長さを計測・・・しま

 

 

 

∑(゚Д゚)アァ!?

 

 

 

ほんの少し、長さが足りないんです!!!

 

慌てて、飼い主さんに電話してみたところ、

「最初から片方が短かったような気がする・・・」との事。。。あぁよかった!

 

刺さっていた場所の奥の方まで鉗子を突っ込んで見ようかと思いましたが、怖くてできませんでした。

 

なので、これ以上の深追いはやめました。

もし、原材料の竹のカスがちょっと残っても、化膿さえしなければ、いずれ生体が器質化してくれると信じて・・・。

 

ちなみに、我が家の菜箸も使い込むと、このようにどちらかが先に短くなっていきます。何故でしょうか?

 

 

 

さて、この軟口蓋にできたの穴はどうしよう?

 

本当はこの薄い膜の奥には鼻に抜ける空洞があり、その奥に喉があるのですが、

食べ物がここに詰まったり、出血が続いたら嫌なので、念のために縫合しておきました。

 

 

 

その後、ウエットタイプの食事を少量ずつから与えていき、

数週間後には瞳孔の異常も回復しており。後遺症もないようです。

本当によかった。

 

 

ホントねえ・・・

猫の飼い主様に謝らなければなりません。

これは猫ちゃんでたまに起こることなんです。

なんで、これを言ってこなかったのか・・・

 

この箸による、悲惨な事故!

ウチのような田舎の小さな動物病院でも何頭も経験があります。

まだ若い子がなくなったり、失明や半身の麻痺が生涯残っている子もいます。

 

犬でも起こる事もありそうですが、私はネコがほとんどです!

まず、ネコは犬と違って高い所にジャンプできるのが要因の一つ。

 

猫が台所や調理しているテーブルなどに登る → 美味しそうな匂いを見つける → 飼い主さんはネコが食べそうな物には気をつけているハズ!なのでネコは美味しそうな匂いはするけれども、ご馳走にはありつけない・・・ → 「おっ!なにやらこの棒は美味しい匂いと味がするニャ〜 」→ 菜箸の先端を舐めたり、齧ったり・・・そして「この棒はオレがもらうニャッ」「さらばっ!トォウッ」→ 菜箸の先をくわえたまま、台所からジャンプ・・・箸から着地 Σ(゚Д゚|||)ギャーッ!

          

と私は現場を見た訳ではないですが、容易に想像できますよね。

 

そして、私は菜箸しか経験がありません。

そして、一番多い菜箸の形状が、今回のような滑り止めのボコボコの加工がされている箸です。

たぶん、あそこに残った食べ物の匂いや旨味がニャンコを惹きつけるのだと思います。

(不謹慎ですが、その昔、グルメ漫画の『美味しんぼ』で毎日使っているスッポン料理屋の土鍋は、スッポンのエキスが染み付いていて、お湯を注いで雑炊を作るだけで、美味しい風味が染み出してくる・・・みたいな話が頭に浮かびます)

 

猫を飼っている皆さん!

台所は危険がいっぱい!

特に菜箸にはご注意を!

 

あ、もっと多い事故が 焼き鳥の串 です!犬も猫もダメダメです!

 

物と暮らしているなら、これらは危険物と認識しておいて下さいね!

それでは、暑い日が続きますが、ご自身も、ワンニャンも元気でいて下さいね〜!終わり